書籍「池上彰のお金の学校」レビュー
池上彰のお金の学校
読書メモ
1、お金に対する基本の知識について
- お金はもともとは物々交換のためのツールにすぎなかった→交換手段だからこそ使ってこそ意味がある。
- 日本銀行の役割は「銀行のための銀行」「政府の銀行」「紙幣を発券する発券銀行」の3つ。
- 現代において金(きん)に代わる「価値のあるもの」は「国債」であり、「発券済み国債の量」によってお金を発行する量を決めている。
- 「金利」=「我慢料」と「レンタル料」であり、金利を得るためには我慢をする。だから、好景気には金利は高くなり、不景気には金利は低くなる。
- 「短期金利」=「コール市場」で使われている金利。世の中のあらゆる金利を決める際の基本となっている。
- 「長期金利」=代表的なものは10年物国債。発行済みの国債の売買状況によって決まる。国債の価格が上がる→長期金利は下がる。
- 「金融緩和」=お金が流れやすくなるように市場にたくさんのお金を流通させること。
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ネット銀行は店舗がいらない(賃料や人件費、光熱費がいらない)のでその分高い金利をつけることができる。
2、株について
- そもそも株とは株式会社が資金を集めるために発行する証明書のこと。
- 株の売買を会社と投資家の間に入って行うのが証券会社。
- 「上場」=株を市場においてもらうこと。上場していれば自分たちの希望した価格とは違うかもしれないけど、とにかく値段が付き、可能性が高くなる。
- 「日経平均」=日本経済新聞社が独自の基準で選んだl企業225社の株式の平均をとった指数。
- 「TOPIX」=株式市場の全体を見るための指標の一つ。東証一部に上場されている企業の時価総額、つまりその時点での株の値段と発行されている株式の総数を掛け合わせると、その会社の値段が出てくる。その時点における会社の価値を「お金」に換算したら、いったいいくらになるのかわかる。そうして換算した一部上場企業の時価総額をすべて足し合わせたものを、過去と比較した指数がTOPIX。
- 株価が上がるということは、社会的な信用度が高くなり、新株の発行が有利に行える。
3、FXについて
- そもそもFXとは、日々動いている通貨の交換レートの値動きに投資すること。
- FXは数ある金融商品の中で最もギャンブル性の高いもの。レバレッジをかけることができるから。
- レバレッジ(証拠金取引)では、株価が値下がりして証拠金がゼロに近づくと証券会社から「証拠金を積み増してください」と言われる。→できなければ強制的に売買されて終了。=ハイリスクハイリターン
4、保険について
- 保険とはリスクに備えた助け合いのシステムである。1人でお金を貯めるとリスクは100パーセント、2人だと50パーセント、100人だと1パーセント・・・(大数の法則)
- 年金は、長生きするリスクに備えた保険。日本全体で経済的に自立できない状態で長生きしてしまうリスクに備えるもの。
- 「大数の法則」を最大限に利用した形が国全体で積み立てる保険。日本は国民皆保険制度を採用しているので、みんな健康保険に入る。
レビュー
以前から池上彰さんの本はとても読みやすいと感じていたので今回この本を読んでみました。すると、本当にとても分かりやすかったです(笑)。
まず、この本はとても基本的なことがしっかりと書かれています。ですので、知らない語句があるまま読み進めるということがなく、すらすらと最後まで読むことができました。説明の中では、身近なものが例として紹介されているので理解しやすかったです。中でも一番納得したものは、「NHKの受信料」に関するものです。考えてみれば、なぜNHKだけ受信料をとるのか…と思っていましたが、実はNHKの受信料は「受益者負担」なんですね。受益者負担とは、簡単に言うと、そのものを利用する人だけが料金を支払うシステムです。戦後テレビ放送が始まりましたが、テレビを持っている人はほんと一部にすぎませんでした。その時は、テレビを持っている人から受信料を徴収すればよかったのですが、その後、受信料を支払わなくても番組を見ることができる民放が登場しました。これはいわば無料で走れる高速道路のようなものです。そこで人々は「なぜNHKだけに受信料を払わなければいけないのか」と不満を持つようになりました。特に最近では、スカパーやWOWOWなどはお金を払っている人しかその番組を見ることができないので、よりいっそうNHKにお金を払う意味が分からなくなりますよね。そこでNHKも、お金を受信料を払っている人だけが番組を見れるようにすればいいと思うかもしれませんが、そうなると今度は国の緊急事態の時の放送が見れない人が出てくる、などの問題があるそうです。
このように、さまざまな問題がこの本では取り上げられていますが、私はそれらの問題を解決していくためにも、国民一人一人がもっと「お金」についてよく知る必要があると感じました。他人任せになっているから、いつになっても問題が解決しないのだと思います。私もまだまだお金に関する知識はないので、これからもたくさんの本を読んで、知識をつけていきたいと思っています。
税金や保険、株など、まったく知識がない人でもこの本はとても役に立ちます。お金に関する本を読みたい、と考えている人がいましたら、ぜひ最初の1冊目におすすめしたい本です。
時代がさまざまな形で変化していますが、「お金」もこれからどのように変化していくのか、とても楽しみです。そしてその変化に対応していくことが大切だと思います。